
何気なく使ってる石鹸だけど、どうやって作られてるんだろう?
パッケージの裏面を見ると、「枠練り」とか「機械練り」とか書いてあるけど、どういう意味?
おはこんこばんちゃ、ていとくです!
普段何気なく使っている石鹸ですが、石鹸ってどうやって作られてるか考えた事ありますか?
実はいくつか製法があり、それぞれ特徴があります
「作り方は別にどうでもいい」という方もいるかもですが、確かに知らなくていいことかもしれません
なので、ふと気になった方だけ読んでもらえればなと思います
もしかしたら石鹸がもっと好きになる可能性もありますしね
機械で作ってるのか、職人さんが作ってるのかを知るだけでも、石鹸に対する愛着も変わってくると思います
- 石鹸の製法
- 石鹸を使っている
- 石鹸の製法を知りたい
ひとえに石鹸と言っても、作り方は様々で中々奥が深い世界だったりします
大量生産されてるから値段が安いとか、職人が手作りだから少し高めなのかなど、製法はその辺にも関わってくる
【石鹸の製法】石鹸はどうやって作られる?

石鹸は主に2種類の化学反応を利用して作っています
その2つは以下のとおり
- 鹸化(けんか)
- 中和
鹸化とは
油脂そのものをアルカリで加水分解する方法で、釜炊き鹸化法(ホットプロセス・バッチ法)と、冷製法(コールドプロセス)があります
そして釜炊き鹸化法の中にも細かく製法があり、それが次のとおり
- 鹸化塩析法
- 炊き込み法
少し混乱してしまうと思うので、一旦まとめてみます
【鹸化】
「釜炊き鹸化法(ホットプロセス・バッチ法)」
- 鹸化塩析法
- 炊き込み法
「冷製法(コールドプロセス)」
まとめるとこんな感じです
釜炊き鹸化法(ホットプロセス・バッチ法)
釜炊き鹸化法は昔ながらの伝統的な製造法で、原料油脂とアルカリ剤を釜にいれ、かきまぜて熱し、鹸化反応を起こして石鹸を作る方法です
鹸化塩析法は純度の高い石鹸を作り出すことが出来る方法で、作り方の手順としては以下のとおり
- 油脂に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加え、よく混ぜる
- 油脂と水酸化ナトリウムを混ぜたものを熱し、鹸化反応を起こす
- 鹸化反応によって得られる石鹸にかわを塩析することで、石鹸素地・グリセリン・不純物を分ける
石鹸にかわとは、油脂と水酸化ナトリウムが鹸化反応をするとできる、ドロドロした石鹸の元です
そうしてできた石鹸にかわを、塩水で何度も繰り返し洗うことで不純物を取り除き、純度の高い石鹸ができます
これが鹸化塩析法
この方法は上記の鹸化塩析法とほとんど同じですが、違うのは塩析をしないという点です
手順は以下のとおり
- 油脂に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加え、よく混ぜる
- 油脂と水酸化ナトリウムを混ぜたものを熱し、鹸化反応を起こす
- 化学反応でできた石鹸にかわを塩析しないで仕上げる
ということはどうなるかというと、塩水で何度も繰り返し洗うという行程がないので、不純物が混じった石鹸が出来上がることになります
じゃあダメなのかというとそうでもなく、その不純物が保湿効果があったりします
ただ不純物が入ってるので、劣化が早いというデメリットがあります
冷製法(コールドプロセス)
油脂に水酸化ナトリウムを加えてかき混ぜるところまでは上記の方法と同じで、その後冷製法は加熱をしません
手順としては以下
- 油脂に水酸化ナトリウムを加えてかき混ぜる
- 加熱はしないで、自然の反応熱だけで鹸化する
- 石鹸にかわができ、塩析せずに仕上げる
こちらも塩析をしないので、不純物が残った状態の石鹸になります
あえて不純物を残すことで、洗浄力がマイルドになるという理由で作ることもあるそう
中和法
最初に油脂を分解しておき、分解した過程で得られた脂肪酸をアルカリと反応させて作る方法
- 高圧分解釜で油脂を脂肪酸とグリセリンに分解する
- 脂肪酸を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)か、もしくは苛性カリ(水酸化カリウム)で中和して仕上げる
脂肪酸だけを使って作るので、塩析の必要はないです
得られた脂肪酸の中から選んで作ることができるので、刺激性のある低級脂肪酸を抜いたりでき、細工がしやすい
ただ鹸化塩析法に比べて劣化が早いです
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固形石鹸にするまでの製造法

鹸化塩析法と中和法で得られた石鹸素地を、どうやって固形石鹸にするのかを解説します
2種類あり、以下のとおり
- 機械練り法
- 枠練り法
機械練り法
機械練りの手順は以下です
- 石鹸素地を機械でチップ状かペレット状に細かくし、乾燥させる
- 乾燥させたら色素・香料・助剤などを加える(無添加石鹸はなにも加えない)
- 良く混ぜ、機械で棒状に押し出して、切断・型打ちして作る
機械練りの特徴は枠練りに比べて、早い時間で作れること
それから機械の強い力で、石鹸の粒子が揃うためキレイな見た目になります
水分をあまり含んでないので、枠練りと違い水にふやけたり形が崩れやすいというデメリットがある
枠練り法
枠練り法の手順は以下のとおり
- 石鹸素地に香料・色素・助剤などを加える(無添加石鹸の場合はなにもなし)
- 大きな枠に流し込み、長い時間をかけて冷ます
- 冷まして固まったら、製品の大きさに切断し、自然乾燥させる
- 型打ちで仕上げる場合と、型打ちをしないで切断した状態のままで仕上げる場合がある
枠練り法は機械練りに比べて、手間と時間がかかります
具体的には大きな枠に入れて冷ますので、そこに時間がかかる
機械練りは機械の強い力によって粒子が細かくなりますが、枠練り法は粒子が大きい状態で仕上がるので、水にふやけにくく形が崩れにくい石鹸になります
まとめ
石鹸は大体上記の方法で作られてます
聞いたことない単語が並んで、少し混乱したかもしれません
簡単にまとめてみます
【石鹸素地ができるまで】
- 石鹸素地は「鹸化法」か「中和法」で作られる
- 「鹸化法」は加熱して塩析あり・なしの方法と、加熱しないで塩析もしない方法がある
- 「中和法」は脂肪酸とアルカリを混ぜて作り、塩析はしない
【石鹸素地ができたあと】
- 「機械練り法」か「枠練り法」で石鹸が作られる
- 「機械練り法」は機械を使う時短の製法
- 「枠練り法」は機械を使わず長時間かけて作る製法
簡単にまとめると上記のような感じでしょうか
知識としてはあまり役に立たないかもしれませんが、覚えとくだけでもいいと思います
形がしっかりしている石鹸と、そうでない手作り感がある石鹸を見た事あると思いますが、「機械練り」か「枠練り」かがすぐわかりますね
以上、石鹸の製法についてでした